安吾のハッカ煙草

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ZOZO 前澤友作社長の『お年玉プレゼント』でも、人間は喧嘩をする

 

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  ZOZOの前澤友作社長が、お年玉プレゼントとして100万円の現金を100人にプレゼントするということで話題になっている。受付が終わった7日の深夜の時点で、556万のリツイートがあり、世界最高記録を打ち立てた。

 


  応募方法は簡単で、Twitterにて前澤社長をフォローをし、当該ツイートをリツイートするだけだ。ボタンを二回押すだけで100万円がもらえるチャンスとあって、学生をはじめ、沢山の人が前澤社長のツイートを拡散した。

 


  人間というのは面白いもので、ボタンを二つ押すだけで100万円がもらえるかもしれないというのに、そのキャンペーンには頑なに乗っからず、そればかりか、乗っかる人々を馬鹿にする人が出始める。無駄なプライドなど捨ててしまって、素直にフォローしてリツイートしてみても良さそうなものだが、庶民には庶民の矜持と言わんばかりに、頑なにリツイートを避ける。いや、それで終われば何も問題はないのだが、キャンペーンに申し込む人々を一括りにして、「馬鹿な大衆」の烙印を押そうとする。これが余計な攻撃であることは明らかだろう。そう思うなら心のうちに留めておけばいいものを、わざわざ口に出して批判し、オナニーをしてしまうという野暮な行為に及ぶ。そしてなによりも不憫なのは、その批判がまったくもってアクチュアルじゃないという点だ。

  そうした冷笑主義を気取った人間たちが登場すると、今度はキャンペーンに参加した勢力が、このニヒリスト的な人間たちに反論する。彼らの反論はもっともといえばもっともなのだが、わざわざムキになることもないのではないかと考えてしまう。うるさいガヤをスルーする能力は、間違いなく人生の充実度に深く関わってくるだろう。

 


  前澤社長が1億円を配るというだけの話なのに、まったくしょうもない言い争いが繰り広げられていて、人間は面白い&業が深いと改めて感じた一日だった。そして、こんなことですら喧嘩になってしまう我々は、何年かけても世界平和を実現できないだろうなと思った。これからも我々は、しょうもないことで争い続け、時には血を流し、しかしむしろその摩擦熱によって、おそらく歴史を進めていくのだろう。むしろ解決しないまま進んできたからこそ、歴史というものは歴史たり得るのであって、それは、おそらく人間が滅亡するまでずっと続くのかもしれない。

 


  ちなみに筆者はこの騒動を眺めるのに夢中になってしまい、応募をするのをすっかりと忘れてしまった。本当の阿呆は僕なのかもしれない。